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幕内 恵三
ポリマーダイジェスト, 51(2), p.30 - 47, 1999/02
最初に放射線橋かけの歴史を回顧し、ドールを先駆者に位置づけた。議論の多い、橋かけの場所については、NMRのデータを紹介し、ポリマー結晶部では起こりにくいことを解説した。ついで放射線橋かけの効率の求め方では、最近のSunやRojiakの方法を紹介した。さらに、放射線橋かけへ影響を及ぼす諸因子をあげ、照射条件では、線量率、雰囲気、温度の効果を論じた。ポリマーの性質では、ポリマーの化学構造、分子量、分子量分布、結晶化度の影響を述べた。実用上重要な橋かけの促進法については、促進剤の選択法とその作用機構とを紹介した。最後に、放射線ならではの橋かけとして、傾斜橋かけとポリマーブレンドの橋かけを解説した。
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PNC TJ1600 96-004, 78 Pages, 1996/03
表層土壌圏における核種動態等をより正確に理解するために、まず土壌を構成する粘土鉱物の構造を理解し、土壌圏における核種動態の媒体である水の熱力学的性質を明らかにした。土壌鉱物としてナトリウムモンモリロナイトを対象とし、この中での水の相対部分モルギブス自由エネルギー、エンタルピーおよびエントロピーを含水率の関数として決定し、X線回折の結果と合わせて、土壌中の水の存在形態を決定した。土壌中の水の存在形態は土壌の含水率に依存して変化した。モンモリロナイトにおいては、層間の1層の水和は0ないし16重量%の含水率の範囲で起こり、2層の水和は16ないし27重量%の範囲で、また3層の水和は27重量%以上の含水率で起こった。間隙水は第3の領域にのみ共存した。次に、表層土壌圏に普遍的に存在する天然有機物のフミン酸がストロンチウムの分配に与える影響を検討した。Srのフミン酸錯体がSrHAとSr(HA)2であることを実験によって特定し、それらの安定度定数と熱力学関数を決定し、その結果を基に錯形成の機構を考察した。また、カオリナイトに対するストロンチウムの分配に対するフミン酸の影響を検討した。カオリナイトに対するストロンチウムの分配に対してフミン酸の影響は40ppm以上のフミン酸濃度で見出され、40ppm以上ではフミン酸濃度が高くなるほどSrの分配係数が低下した。また、この影響はpHが高くなるほど顕著であった。最後に、土壌圏における放射性核種の移行挙動の評価のための基礎研究の一環として、圧密ナトリウムモンモリロナイト中のナトリウム、セシウムおよびストロンチウムの見かけの拡散係数とその活性化エネルギーを決定した。
栗山 将; 中瀬 吉昭; 一色 節也*; 砂塚 英夫*; 藤本 郁夫*; 高橋 享*; 八橋 元治*; 新元 孝*
藤倉電線技報, (56), p.25 - 32, 1977/00
原子力発電所で使用される電気ケーブルには、設計基準事故の一つである冷却材喪失事故(LOCA)が起っても、その性能を発揮することが要求されている。この事故時には、高温高圧水蒸気下で放射線も加わった環境になる。本報告では、放射線照射下における絶縁材料の電気特性について検討するが、この特性変化の主因である放射線誘起電流および、その減喪を取り上げた。短寿命、および長寿命荷電担体の評価、その減喪挙動の検討から、高線量率下では短寿命担体が支配的であり、低線量下では長寿命担体が支配的であることを明らかにした。また、化学構造も重要な役割を演じているが、これを明確にするためには、結晶性等材料の微細構造の役割も明らかにすべきことを主張した。